
マヌエル・レジェス I 世 1987年製が入荷しました。
〔楽器情報〕
マヌエル・レジェス 1987年製 フラメンコ ブランカモデル Used です。このブランドの人気と彼自身の技術的習熟、そして芸術的完成度すべてが絶嶺に達した時期の、大変に魅力的な一本です。
レジェスはそのキャリアのすべてに渡ってあくまでもトラディショナルな構造を基本としながら、そこにかなり独特な工夫を凝らした力木設計も実践しており、それぞれが興味深く楽器としてのトータルクオリティの点でも瞠目すべきものとなっています。1987年製の本器では潔いとさえ感じさせるほどに確信的に、ベーシックなスタイルですみずみまで精緻に作り上げられており、誠に凛々しい個体となっています。
レジェス特有の突き刺すように鋭い繊細さとほとんど高潔とさえ言えるほどの気高さがあり、それでいてしかもフラメンコの身振りやイディオムを自然に備えている、いつもながらの芸術的な一本となっています。各弦各音どうしの有機的な繋がりとバランス、発音の適切な粘り、音量のダイナミズム、深く上品な音色表現など楽曲演奏の際の機能的な性質も申し分ありません。そして外観においても品格のあるヘッドデザインやロゼッタの細密で立体感のある仕上げ(赤、黒、緑、黄のスタンダードな色を基調として十字柄と菱形のコンビネーションはインパクトがあります)、そしてこれも繊細で美しいセラック塗装の質感など、工芸品レベルの美しい佇まいが素晴らしい。
割れや改造などに履歴はなく、ナット等の一部部品の交換歴はありますが塗装含め全体にオリジナルの仕様を維持しており、およそ40年を経たフラメンコモデルとしては良好な状態と言えます。表面板は指板脇やサウンドホール周り(ゴルペ板縁部分)など弾きキズ等やや集中してあります。またその他ボトム付近などにも打痕やスクラッチ跡など見られますがやはり経年相応と言えるレベルのもので外観を損ねるものではありません。横板は底部分に細かなキズが集中して見られますがその他は軽微なキズが散在しているのみ、裏板はおそらく衣服(ボタンやバックル等)のスクラッチ跡がセンター部分などの見られますがこれらも総じて経年相応の自然な使用感のレベルと言えます。
ネックはほぼ真直ぐを維持しており、フレットは1~5フレットでほんのわずかに摩耗見られますがほとんど正常値を維持しています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプでフラットな形状、ただし指板幅が54mmと広めな設定なのでグリップ感はたっぷりとした感触があります。弦高値は2.8/3.0mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は0.5~1.0mmとなっています。糸巻はスペインの老舗ブランド Fustero 製を装着しており現状で機能的に良好です。ボディ全体の重量は1.41㎏。