アルベルト・ネジメ・オーノ オリジナルモデル 2016年製が入荷しました。

〔楽器情報〕
アルベルト・ネジメ・オーノ (禰寝孝次郎)2016年製作のオリジナルモデル Usedです。日本のギター製作におけるスペイン式伝統工法の最初の本格的な伝承者とされ、その製作法に関する著書も著している氏が、実は邦人製作家の中では比類のないイノヴェイティヴな作家であることは意外に語られることがありません。それは氏自身が全くそれについて喧伝することも語ることさえなく、またしばしばそれはあくまでも伝統的なスタイルを踏襲したうえで為されてしまうため誰もがそれに気づかず納得してしまうというこれまでの受容のありかたにも起因しているといるかもしれません。2016年作の本器は氏の近作にまで通底することになる、数々のオリジナル設計のうちでもスタンダードと言えるスタイルで作られており、そして大変に個性的な音響を創出するに至っています。

ネジメ氏にまさに特有の、強い力で打つようにして地に音を貼り付けてゆくような独特の重力感と粘りを持った発音で、これが響箱の奥底からパーカッシヴな感触で鳴ってくる、この触覚的な発音と空間的な音響との融合がもたらすどこかアンビヴァレンツともいえる効果がなんとも個性的で、そして素晴らしい。重厚でスマート、ストイックでロマンティック、明朗であり深い翳のある、唯一無二といえる音色表情が達成されています。これがもちろんのこと、曲の(特にクラシックの)表現において微妙な感情の機微や移ろいの表現に寄与しており、奏者を時に挑発さえする喚起力を備えています。

全体はセラック塗装による仕上げで、オリジナルスペックを維持しており、割れや改造等の大きな修理履歴はありません。表面板は指板両脇からサウンドホール周りにかけてのエリア、また駒板下部分など弾きキズ等細かなキズが多くあります、また同じくボトム付近のエリアでは3~5mmほどの打痕が数か所、3cmほどの搔きキズなどもあります。横裏板は衣服等によるわずかな摩擦あとと経年による自然な塗装の変化のみできれいな状態を維持しています。ネック裏もわずかなキズのみとなっており、外観的また演奏時の感触的にも気にならないレベル。ネックは順反りですが弦高値の設定と演奏性的に問題ないことから現状のままとしています。フレットは正常値を維持しています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ。弦高値は2.7/3.7mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.0~1.5mmとなっています。糸巻はSloane製を装着しており、現状で機能的な問題はありません。重量は1.95㎏。