フェリーペ・コンデ・クレスポ Flamenco Negra 2025年製が入荷しました。

[楽器情報]
フェリーペ・コンデ・クレスポ製作 表面板松、横裏板はマダガスカル・ローズウッド仕様のフラメンコネグラ モデル 664mmスケール、2025年製 No.91 Usedです。自らの出自たるコンデ・エルマノスというバックグラウンドについて熟知し尽くしているはずであろうこの若き製作家が、自身のオリジナルブランドとしてのモデルを開発してゆく過程で改めて仔細に参照したのが彼の祖父たちが1970年代に製作したギターだったそう。しかしながらここにはコンデ・エルマノスのあの挑みかかってくるような強さや、さらにはドミンゴ・エステソのロマンティックな気品とも異なる独自のポテンシャルがあり、あくまでも落ち着いた色彩と佇まいの中に異様なまでのスピード感と鋭利なうねりを内包した、まさしく現代の感性によるフラメンコギターとなっていることが特筆されます。

木そのものの持つ粘りが十全に活かされた、どんどんとドライブしてゆくような発音感覚がなんとも心地よく、各音どうしの自然な分離、ネグラならではの重厚さと奥行き、フラメンコにふさわしい身振りとイディオム感覚は、さすがに名門ブランドの4代目としての確かな腕を感じさせます。きりっとした高音と低音の渋く力強いうねりとの対比とバランス、ウッディな触感の音像と繊細な表情などいずれも秀逸で、スパニッシュな表現楽器としてのクオリティも実に高い一本です。

表面板の力木配置はスパニッシュギターのオーソドックスな設計と言えるものになっています。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバーを設置し、ホール周りはロゼッタと同じ範囲を覆うように円形の補強板が貼られています。補強板はネック脚と上側ハーモニックバーとの間にも長辺が15cm、厚さ2mmほどの角丸長方形のものが貼られています。表面板下部は左右対称7本の扇状力木とこれらの下端をボトム近くで受け止めるようにV字型に配置された2本のクロージングバーという全体の配置。7本の扇状力木は中央に配された3本が互いに平行に、サウンドホールの直径の幅に収まるようにして設置されており、残りの計4本は少し離れて扇状に拡がるように角度をつけて配置されています。レゾナンスはF#の少し下に設定されています。

2025年作だけに極めて良好な状態の1本です。全体はセラック塗装仕上げ。表面板指板脇やゴルペ板の縁部分などの数点の浅い弾きキズ、また裏板のセンター部分には長さ2㎝ほどのスクラッチが2本見られ、またネック裏も少々の爪キズあるものの、その他はとても綺麗な状態で出荷時のみずみずしさがまだ感じられます。もちろんネックやフレットなどの演奏性に関わる部分も問題ありません。弦高値は出荷時のままで2.1/2.3mm(1弦/6弦 12フレット)と充分に低い設定となっており、タッチの強さによってはビリつくところもありますが、現状を保持してのお渡しとなります。サドル余剰は1.5mmとなっています。糸巻はスペインの老舗ブランドFustero 製を装着しています。ボディ全体の重量は1.54kg。