ホセ・ラミレス三世 1964年製が入荷しました。

〔楽器情報〕
1964年製作のフラメンコギター、モデル1A。

本器は、ホセ・ラミレス3世がフラッグシップモデル「1A」を発表した年の作品であり、同氏が急速に名声とマーケットを拡大していく、工房として最も充実した時期(楽器のクオリティという点においても)の一本である。出荷されるプロフェッショナルモデルにはすべてマスタービルダーのイニシャルが刻印されており、本器はMMスタンプ、ミゲル・マロ・マルティネスの作となる。

フラメンコギターとしての身振りや反応の良さを十全に備えた、1960年代ラミレスの佳品。まろやかな音色ながら芯と張りがあり、表情も多彩で、タッチの微妙な変化にも高いリニアリティで反応する。心地よい粘りと反発感を伴い、タッチに跳ね返ってくるような発音が特徴で、この時期のブランド全体のアベレージの高さがうかがえる。弦の張りは強すぎず、弾きやすいセッティングである。

ネックは適度な順反りで演奏性は良好。サドルの残余は高音側で特に余裕がなく、現状で最も低く設定された状態となっている。

製作から約60年が経過しており、表面板センター割れ、表面板右くびれ部の割れ、裏板両サイド2箇所の割れ、側板下部の割れが見られる。いずれもパッチおよび突板による割れ止め処置が施され、適切な補修がなされており、演奏上の問題はない。1960年代のラミレスが、フラメンコギターにおいても極めて高度なクオリティを達成していたことを示す証左となる一本である。軽量ケースが付属する。