
アーロン・グリーン Concert 2005年製が入荷しました。
[楽器情報]
アーロン・グリーン製作 のクラシックモデル 2005年製 No.77 国内では非常に珍しいUsedの入荷です。「完全な伝統主義者」と自らを規定するだけに外観、構造そして音響に至るまでがスペインの伝統的なスタイルを基本として構築されており、このブランドの製作哲学と高度の工作精度、そして深い審美性が十全に自然に備わった一本で、とても魅力的なモデルとなっています。
撥弦の弾性が表面板を叩くような感覚のパーカッシブな発音、それと同時に響箱の容積を感じさせる空間性が生まれてくるような音響性質はすぐれてスペイン的ですが、決して放射するに任せるような鳴りではなく、適度な粘りを加えて全体をバランスよく構築しています。このような「古風さ」をまといながら、発される艶を湛えたみずみずしい音像はいかにも新鮮で、加えて「現代的」ともいえるほどの音量的なレンジの広さと迫力(ただし決して大音量の楽器という意味ではなく)をもっています。さらに特筆すべきは各音の彫りの深さで、単旋律でも線的な繋がりと同時に深度のある立体的な空間を生み出し、そのごつごつとした音どうしの凹凸感は独特な感触がありとても面白い。しかしながら決してクラシカルな雰囲気や表情を逸脱することなく、むしろそれにふさわしく、自然に感じられるのはやはりそこに深い歌が常に表出されるからでしょう。
音色は明るさと同時にほのかな奥ゆかしさも感じさせ、これがどこかアンビバレントな相貌を自然にまとわせてクラシカルな明と暗の表現に適応してゆきます。またタッチに対する反応性が鋭敏で、木にじかに触れるような発音の生々しさがありながら同時に十分ににコントロールされており、全体の音響バランスがしっかりと構築されているところもこの楽器のすぐれた特質となっています。
外観も魅力的。飴色に近いセラック塗装はヴィンテージ風の雰囲気を醸し出しており、良質な松材と横裏板の濃茶のブラジリアンローズウッドとの対照を美しく演出しています。ロゼッタはどこか古代文様的な意匠を緻密にそして色を抑えてあしらい静かな存在感があり、ブラジリアンローズの野性味をきりっと引き締めるようなパーフリングインレイも洒落たアクセント、熟成酒のような落ち着きと同時にハッとさせるような鋭さもある佇まいが秀逸です。
状態も良好です。割れや改造などの大きな修理履歴はありません。全体は繊細なセラック塗装仕上げで、表面板のサウンドホール周りや下部低音側のふくらみ部などに軽微なスクラッチあとなどありますが外観を損ねるものではありません。横裏板も衣服等によるわずかな摩擦のあとがあるのみできれいな状態です。ネックは厳密に言えばやや順反りですが演奏性には問題なく標準設定の範囲内、フレットは適正値を維持しています。ネック形状は薄くそして角の取れた丸みのあるDシェイプ、弦高値は2.9/3.5mm(1弦/6弦 12フレット、サドル余剰0.5~1.0mm)。糸巻はスローン製のLeaf 柄プレート。ボディ重量は1.54㎏。