茶位 幸秀 No.30 2001年製が入荷しました。

[楽器情報]
茶位幸秀 製作 No.30 2001年製 Usedです。製作当時このブランドのラインナップの中ではエントリーモデルとして位置づけられており、例えば最上位機種であるNo.80が幸秀氏の作家としての個性が十全に現れた、柔らかく何かに包まれたような朧な音像(決してぼやけているという意味ではなく)という特性とスペイン的音響設計を融合して、ややレトリカルに言えばほとんど水墨画のように清淡な音響を創出しているのに対し、No.30は職人としての幸秀氏の極めてバランスフルな統合力が素晴らしい、第一級の導入モデルとなっています。

まず導入モデルとして、全体の安定した音響バランス、発音の心地良さ、明晰で艶やかな音色、反応の素早さなど機能的な点での充実が、あくまでも「適切さ」を逸脱することない十全さで構築されていることがいかにも幸秀氏らしい。すべての音(各音そして各弦)が有機的につながり、音楽に極めて自然な流れが生まれ、全体の統一感とともに曲においての各声部の明確なキャラクターの違いを表出するその表現力もまた申し分ありません。先述の「発音の心地良さ」について、撥弦の弾性を受けとめる木の反発感とともに、きりっとした跳ねるような発音とともに艶やかな音像が現れるのは本当に心地良く、そしてじつによく歌います。現代の、ほぼグローバルに不文律となっている迫力と大音量という点においては不足はないと言うにとどめるものの、その音楽性は補って余りあるほどに充実しています。

割れや改造などの大きな修理履歴はありません。表面板は指板脇からサウンドホール周りにかけてなどは弾きキズがやや多くあり、駒板下部分は弦とび跡があるほか弦交換時の細かなキズがついています。横裏板は衣服による摩擦などのあとが少々あります。全体的に経年を考慮するときれいな状態を維持していると言えます。ネックはわずかに順反りですが標準設定位の範囲内、フレットは1~5フレットでわずかに摩耗見られますが演奏性への影響はなく、適正値のレベルを維持しています。ネック形状は普通の厚みのDシェイプ、弦高値は2.8/4.0mm(1弦/6弦 12フレット)、サドル余剰は1.5mmとなっています。糸巻はGotoh製を装着しておりこちらも現状で機能的な問題はありません。