マルコ・ボルトロッツォ 2025年製 が入荷しました。

[楽器情報]
マルコ・ボルトロッツォ 2025年製作 ハウザー1世モデル No.118 新作です。
文字通りヘルマン・ハウザー1世のあまりにも有名な1937年製セゴビアモデルを基に、製作家独自の美学を盛り込んで完成させた高密度なオマージュモデルとなっています。

マルコ氏の特徴の一つのとして、非常な木工技術による精緻の極みともいえると細工と意匠がまずは挙げられますが、本作においてもそのほとんどartistic とさえいえるほどの精密さに目を奪われます。また意匠において彼は常に慎ましく、華美になり過ぎることを避け、むしろ素材そのもののもつ模様や色合いを活かしそれらを組み合わせることで独自のテクスチャーを生み出す作法を心得ており、それが全体の凛とした姿に表れています。

そして音も素晴らしい。その美しい姿そのままに、ハウザーの音がスマートな装いとともに清新な音響として現出してきます。ここでもマルコ氏はハウザー1世特有の音響設計と発音特性をしっかりとつかみ、非常な解像度の高さで再構築して見せています。さらに彼の非凡な感性は、ハウザー1世の内包していたスペイン性とドイツ性との弁証法的帰結とも言える音響(それはつまり西洋音楽的な音響ともいえるものですが)、理念の混淆により生み出された異様ともいえる音響、のエッセンスを汲みつくしたうえで洗練化させており、その音響の絶妙な構成力は驚くほど。そしてハウザーの厳粛ともいえる響き、ここに彼は自身のイタリア性をもさりげなく加えてみせ、なんら厳かに構えることのない、明朗で親密なハウザーモデルとして着地させています。

全体は美しいセラック塗装仕上げ、表面板の松、横裏板のブラジリアン・ローズウッドともにマルコ氏厳選のものが使用されています。裏板は4ピース仕様ですが、この接ぎ部分における細工もさりげなく細やかな仕事がされており、なんとも心くすぐられるポイントになっています。ネックは薄めのDシェイプで角の取れた形状になっておりとてもコンパクトなグリップ感、ヘッドとの接合部分はこれもオリジナルに則ってVジョイント方式が採用されています。糸巻はドイツの高級ブランド Barnett 製を装着しています。

ラベルはオークの葉が描かれた洒落たデザイン。生まれ故郷ヴィッラノーヴァの町に生えていたオークの老木と幼少の頃親しんだ思い出が始まりで、ミラノに移り工房を立ち上げた時、自然に庭にオークの新芽が生えてきてみるみる育っていったという。そこに新たな出発の徴を感じた彼はそのオークの葉をブランドラベルとしたのだそう。

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