テサーノス・ぺレス 1998年製 が入荷しました。

[楽器情報]
テサーノス・ペレス 1998年製 Maestro モデル No.221 Used です。ラミレス系マドリッド派特有の音響設計ですが、ラミレスのように高音を前景化させて歌を強調させることも、パウリーノ・ベルナベのようにすべての音が等しく強烈に主張してくるようなこともなく、低音から高音までの自然なバランスを構築しながらその中で濃密にロマンティックな音色を聴かせるテサーノス・ペレスならではの至芸が味わえる一本です。そしてこの表情の豊かさはここぞというときには情感をたっぷりと振り切るところまで表出しながら、あくまでも上品さを失わないところも素晴らしい。さらに特筆すべきは彼らのギターの非常な演奏性と機能性の高さで、マドリッド派らしいたっぷりとした響きですがタッチに対する反応が鋭敏で発音ではぱっと音像が表れ、終止においてはさっと止まる、その音楽的な身振りが心地良く、奏者はタッチのままに音が動いてゆく感覚で演奏できます。このような発音の連なりは旋律に自然なドライブ感を生み、音楽がどんどん躍動してゆく感覚もまたこのブランドならではでしょう。

表面板力木配置は、サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバーを設置、このうち下側のバーの低音側には長さ4センチ高さ3mmほどの開口部が設けられています。力木は扇状形の配置ではなく、表面板の木目と同じ方向に互いに平行にして設置された4本(5本)と、下側ハーモニックバーの中央から高音側横板に向かって斜めに下がってゆくように設置された1本、そしてボトム部分に逆ハの字型に配置された2本のクロージングバーという配置になっています。そして駒板の位置にはほぼ同じ面積をカバーするように薄い補強板が貼ってあるという全体の設計。まず平行に配置された4本(5本)の力木は表面板センターに配された一本を境に高音側に1本、低音側に2本が設置されており、センターと高音側の合わせて2本は駒板位置のプレートの上を通過してボトム部に至っていますが、センターの低音側隣の1本はプレートの上下で分かれています(※そのためセパレートされたそれぞれを1本とすると、平行力木は5本となります)。また斜めに配置された1本は本来ならトレブルバーとして「バー」の1本とされるところですが、本作のこれはバーの強固な造りではなく平行力木と同じサイズと形状をしていることから力木の一つとしています。レゾナンスはF#~Gの間に設定されています。

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