ホセ・オリベ カリダッド・スプレマ  1993年製 が入荷しました。

〔製作家情報〕                                
ホセ・オリベ Jose Oribe 1932年アメリカ、ペンシルバニア生まれ。父親はスペイン人。最初は航空技師の職に就いていましたが、23歳の時にギター演奏を初めて聴き、その音色に深く魅了された彼はそれからクラシックギターの研究に没頭。父親の故郷であるスペインにも足を運び、帰国後の1962年には技師の職を辞し、小さなギターショップ兼工房を開いて本格的にギター製作を開始します。1973年には店を畳んでカリフォルニア、サンディエゴ郊外に工房を移設し、ギター製作のみに集中して取り組むようになります。技師の仕事で培った正確無比な技術、隅々まで配慮の行き届いた製作工程を確立することで飛躍的に出荷数を伸ばしてゆきます。同時にオールハンドメイドによる高い品質を維持し続け、気品と高級感あふれる仕上がりも相俟ってたちまち人気にブランドへと成長してゆきます。

ホセ・ラミレスなどのマドリッド的特性を色濃く感じさせる作風で、そこに彼独自の精密さとバランスへの強い志向とがミックスされ、たっぷりとしたロマンティックな響きが特徴。特に杉材を使用したモデルは人気が高く、ラミレスと並んでセダートップギターとしてのブランドバリューを確立してゆきました。厳しく選定されたセコイア杉やブラジリアンローズウッド等の良材を使用し、極めて高い工作精度で内部に至るまで狂いなく仕上げられた完成度は比類なく、外観の類まれな審美的センスも相まって、1980年代から90年代にかけて最高級ギターとしての地位を揺るぎないものにしました。2000年代以降は製作本数は限定されてきましたが、現在も息子ジョン・マーティンと共に現役で製作に従事しています。

[楽器情報]
表面板はセラック、横裏板はラッカー塗装仕様。割れや改造等の大きな修理歴はありません。表面板のサウンドホールまわりや駒板下などに浅い細かなキズが少々あり(1弦と2弦部分に弦とび修正あとあり)、その他部分的な打痕等のタッチアップを施した形跡があります。また横裏板が演奏時に腕や胸の当たる部分などに塗装の若干のムラやその他衣服による軽い摩擦あとあり、ネック裏は特に目立つ傷は無く、全体にとても綺麗な状態を維持しています。ネック、フレット等の演奏性に関わる部分の状態も適正値を維持しており、糸巻き(スローン製)の機能的にも現状で問題ありません。ネック形状は丸みのあるオリベ特徴的なDシェイプ、弦高値は2.7mm/3.3mm(1弦/6弦 12フレット)でサドル余剰は1.5~2.5mmあります。

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