
桜井・河野 2024年製が入荷しました。
〔製作家情報〕
河野 賢 Masaru Kohno 1926年茨城県水戸に生まれる。
1948年3月東京高等工芸学校木材工芸科(現千葉大学建築科)卒業と同時にギター製作を開始。ギター製作に関しては独学で、最初に作った一本は中出阪蔵のギターを検分し作り上げたものだったようです(中出阪蔵との直接の交流はありません)が、楽器構造には最初期より様々な試みを行い、中にはかなり当時としてイノベイティブな発想のものもみられます。これらの研究と実践はやがて1960年代後半には表面板の木目に沿って水平と垂直の方向で組み合わされたスクエアを基礎とした力木配置として結実することになり、これは様々にバリエーションを変化させながら現在にまで至っています。
また1960年にはスペインに渡り、イグナシオ・フレタやアルカンヘル・フェルナンデスの工房を訪れ本場スペインギターに関する見識を深め、自身の製作に活かしてゆきます。そして1967年9月、ベルギーのリエージュ国際ギター製作コンクールで金メダル受賞し、国際的に名前が知られるきっかけとなります。同年に甥の桜井正毅が工房スタッフに加わり、1998年に他界したあとはこの工房を引き継ぎ、桜井/河野ブランドとしてモデルラインナップを継続しています。
日本における高級ギター製作のパイオニア的存在であり、当時も今も非常にファンの多い国内ブランドです。スペインギターのエッセンスを彼なりに独自に再構成し、日本人の演奏嗜好にフィットした音響と演奏性、良質な木材を使用した高級感のある全体に仕上がりは邦人製作家としてこれまでになかったような域に達し、日本という市場におけるギター需要を一気に集中させるほどの人気を誇りました。海外からも日本産ブランドの筆頭として現在も高い評価を得ています。
〔楽器情報〕
桜井・河野ブランドの最上位機種 Maestro 2024年製Usedの入荷です。1998年に河野賢が他界したあと、桜井正毅がその基本設計や音響コンセプトを継承しつつ自身のラインナップに一つとしてブラッシュアップさせた「Sakurai Kohno」ライン。河野自身の様々なイノヴェイティヴともいえる設計の試みののちに開発した、バーと力木をほぼ垂直に交差させたスクエアな、単純だが複雑な力木構造を基本とし、そこに桜井氏の音響学的なアプローチによる工夫を加えたモデルとなっています。
明るめの艶やかに磨かれた音色で統一されており、バランスフルな音響設計で、このブランドの特徴が円満に備わった一本となっています。ストレスのない発音に加え、フィジカルな点での弾きやすさも申し分なく、ジャンルレスに様々なユーザーにおすすめできるモデルとなっています。
Used品ですが、完全に無傷で新品同様の超美品の一本です。もちろん修理履歴もなく、ネック、フレット、糸巻等演奏性に関わる部分もすべて良好な状態。ネック形状はDシェイプの普通の厚みでややスクエアな形になっており、フィット感の良い握り心地。弦高値は3.2/4.2㎜(1弦/6弦 12フレット)、サドルには2.0~3.0mmの余剰がありますのでお好みに応じてさらに低くすることも可能です。重量は1.74㎏。スーパーライトケース付き。
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