マヌエル・ベジード 1996年製 が入荷しました。

[楽器情報]
マヌエル・ベジード製作 1996年 フラメンコ ブランカ Used です。ラベルにはペンで書かれた「1995」の末尾の数字「5」を「6」に書き直した跡がありますが、裏板のバーの一本には「GRANADA 1992」とやはりペンで書かれています。ラベルと本体に書き込まれた年代の相違の理由については正確なところは不明なのですが(おそらくは製作着手が1992年で完成が1996年ということかと思われます)、ギターは1990年初頭のこのブランドの特徴的な様式と構造を備えており、音色的にも円満にグラナダ的ニュアンスを濃厚に感じさせるものになっています。

実際にここで聴かれる音響はフレタ的音色とは全く異なる、円満にアンダルシア的なもので、音色や発音、音の身振りに至るまでフラメンコ的なキャラクターと機能性を十全に備えたものとなっています。しかしながらこの製作家の、豪快さやはじけるような明るさというよりはある種のスマートさ、あるいは音楽的な意味での暗さのようなものがほのかに内在し、それが全体の表情に独特の渋みを付与しているところは、彼ならでは特徴として挙げておくべきでしょう。

ボディ全体とネック裏に至るまでフラメンコギターとして十分に弾き込まれてきたことによる弾き傷、スクラッチ傷、打痕等が多くあります。割れ等の修理歴はありませんが、表面板のゴルペ板は一度貼り換えられた形跡があります。セラック塗装はおそらく製作時のままで再塗装などはされていないようです。ネック、フレット、糸巻きなど演奏性に関わる部分は問題ありません。ネック形状はこのブランドに特徴的な薄くフラットなDシェイプでとてもコンパクトなグリップ感。弦高値は現在値で1.8/2.8mm(1弦/6弦 12フレット)となっており、奏法によってはビリツキが発生する場合がありますが、現状のままとしております。サドル余剰は1.5~2.0mmとなっています。重量は1.42㎏。

詳細は上記画像をクリックしてご覧下さい。