
パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero 2024年製が入荷しました。
〔製作家情報〕
パブロ・サンチェス・オテロ Pablo Sanchez Otero(1986~) スペイン北西部のガリシア州の美しい港湾都市ア・コルーニャに生まれ、現在も同地に工房を構える製作家。
最大の師であるロマニリョスから受け継いだ、細部まで妥協を許さない繊細な造作、木の個性を活かした落ち着きのある洒脱な意匠、トーレスを基本とするスペイン伝統工法に立脚しながらどこかクロスオーバーな瑞々しい音色の魅力等は現在のスペインの若手の中でも静かに異彩を放っており、国内外で評価の高まりを見せています。
〔楽器情報〕
低音の重心感ときりっとした高音とが前景化し中低音が慎ましくそれを支えるようなバランス感で、独特の遠近感が生まれており、ポリフォニックな旋律において各声部が彫塑的に現出する感覚があります。インディアンローズウッド仕様ならではの迫力ある響きですが、表情は華やかさよりもむしろ木のナチュラルな響きゆえの落ち着きがあり、演奏において曲に明確な雰囲気を与えています。
本器に名付けられた ‘La Retornada’ は「帰還せし者」の意で、スペインからイギリス、ベルギーを経て生まれ故郷へと戻ってきた製作家自身の姿もまた投影したものとなっています。
彼のベルギー時代から故郷ア・コルーニャへの帰還へと至るその製作家としての道筋をも跡付ける1本として、オテロ氏自身が愛着をもってストックしていたもの。野生のインディアンローズウッドを使用した本作は、いつもながらの洒脱に加え、静かな迫力さえ感じさせる1本となっています。
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