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クラシックギターへのいざない

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クラシックギター(英名:クラシカル・ギター)とは

ナイロン弦を使用し、裏板が黒褐色のギターを一般にクラシックギターと呼んでいます。
とくにクラシック音楽のためのギターというわけではないので、とくに「クラシック」と言わない場合もあります。
電子回路等を組み込んでいないという意味で、アコースティックギターに含める場合もあります。

形状はフラメンコギターとほぼ同じですが、フラメンコギターが軽めで歯切れのよい響きであるのに対し、
クラシックギターは重厚で音の伸びがよい傾向があります。見た目の違いは主にボディ部分にあり、
横板と裏板に色の濃い材料を使うのが普通です。


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クラシックギターの歴史

ギターは現代の楽器のように思われがちですが、実は非常に歴史の長い楽器のひとつです。その祖先は、古代ギリシャ、エジプト、中近東の壁画に登場します。
ヨーロッパのルネッサンス期には、形状は異なりますが同族楽器であるリュートが全盛となり、スペインではビウエラというギターに似た形の複弦楽器が登場します。

複弦というのは、1本の弦に相当する位置に2本ずつ弦が張られていて、独特のふくらみをもった優雅な響きを生み出します。またビウエラよりもやや簡素な楽器として、
ルネサンスギターという少し小型の複弦楽器もヨーロッパに広がっていきます。


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ルネッサンス期に続くバロック期は、ヴィヴァルディ、テレマン、バッハなど、音楽の世界が大きく花開く時代であり、リュートは更に大型化、複雑化し、ヴァイスのようなすぐれた奏者兼作曲家が登場します。
ギターはまだリュートほどの地位をもっていなかったようですが、バロックギターと呼ばれる優雅な音の楽器に移行し、世俗的には広く受け入れられていたと考えられます。

こうした古い時代の楽器のために作曲された曲は、タブラチュアという図のような譜面で残されていますが、1950年代から一部が五線譜に書き改められ、1970年代まで主に現代のクラシックギターで演奏されてきました。
その後、作曲された当時の演奏を再現する古楽の研究が進み、現在ではオリジナル楽器(古楽器、ピリオド楽器、復元楽器)で演奏されるのが主流となりました。とはいえ、これらの曲はギターの響きに大変良く合うため、
将来もギターを弾く方の重要なレパートリーであり続けることでしょう(ダウランド、ミラン、サンス、ナルバエスなどの作品)。


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さて、ハイドンやモーツアルトの古典派からロマン派の時代になると、ソル、アグアド、ジュリアー二、コストなど、現代のギタリストにとっても重要なレパートリーを残している世代が登場し、
ギターの黄金期を迎えます。ヴァイオリン奏者・作曲家として有名なパガニーニもギターを愛したことで知られ、いくつかの作品を残しています。

この時代のギターは、ボディの厚みがあまりなく、複弦から単弦へと変化します。この単弦ギターを19世紀ギターと呼ぶことがあります。


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現代のギターは、19世紀後半に起こった大きな流れの中で生まれます。スペインは長くギターという楽器を育んできた国ですが、多くのギター製作家を輩出した中で、
この時期にアントニオ・デ・トーレスという歴史的な天才を生み出すことになります。
しかも、その時期は「アルハンブラ宮殿の想い出」で有名なフランシスコ・タルレガが活躍した時期と一致しています。

タルレガはトーレスのギターを数本持ち、
生涯使い続けました。この出会いがコンサートスタイルの現代のギターを生み出すきっかけになりました。トーレスは材料の吟味、製作方法、設計を研究しつくし、広い場所でも朗々と鳴る、
優れたギターを数多く残しました。それらは「ギターのストラディバリウス」と呼ばれており、現在でも製作技法は解明しつくされていません。

タルレガ以外にもリョベート、プジョール、フォルテア等の名手とともに、ギター演奏の場は急速にコンサート会場へと広がり、ついにはアンドレス・セゴヴィアの登場を迎え、楽器としての地位を確立します。映画「禁じられた遊び」のサウンド・トラックで有名になった名手ナルシソ・イエペスの存在もギターブームに大きな影響がありました。この時期には、製作の面でもサントス・エルナンデス、ハウザーⅠ世、ホセ・ラミレスⅢ世、イグナシオ・フレタ、アルカンヘル・フェルナンデスなど、多くの名工が時を同じくして登場します。

その後、ギターは伝統技法に新しいアイデアを取り入れながら、協奏曲に室内楽にと、重要な役割を果たしていくことになります。

ギターサロンの<ギター写真館>ではこうした名器の数々の写真を掲載、更に<アウラ写真館>ではギター演奏家や製作家の写真や製作工程の写真をご覧頂けます。

クラシックギターの音

クラシックギターの音の特徴は、あえて言えば重厚で落ち着いており、音の伸びがよい点と言えますが、製作家によって乾いた歯切れ良い音もあれば、太く甘い音もあります。選ぶときは好みと弾きやすさを考慮して、
総合的に判断する必要があります。詳しくは<ギター選びのヒント>をご覧ください。
また、具体的に楽器のご購入を検討される場合はアウラオンラインショップのギターコーナーをご参照ください。

弦について

弦としてナイロンを使用するようになったのは、1954年のオーガスチン黒ラベルの発売以降のことです。それまでは羊の腸を撚り合わせたガット弦が使用されていました。
低音の3本は絹糸に金属線が巻かれていました。ガット弦は現在でも販売されていますが、天然素材のため、精度にムラが出やすいほか、消耗が激しい点が大きな欠点でした。

現代奏法では右手の爪を使用するので、爪が当たる部分が傷つきやすいのです。第二次世界大戦後の弦の供給不足に困っていたセゴヴィアは、
アルバート・オーガスチンによってもたらされたナイロン製の弦をすぐに採用します。実際に比べてみると、ガットの音とはかなり異なりますが、やわらかく豊かな高音はむしろセゴヴィアを喜ばせ、
以後ガット弦にもどることはありませんでした。その後、サバレス、プロアルテ、ハナバッハなど、多くのメーカーからナイロン弦が発売されるようになりました。

それぞれに個性があり、自分のギターと相性がよい弦を見つけることも楽しみのひとつです。
弦の選定あたっては、ギターサロン内の<弦はどれを選んだら良いか>をご参照ください。

クラシックギターを学ぶには

現在ではCDやDVD等により、昔に比べてかなり独習しやすい環境になりました。
そうした意味では、なかなかレッスンに通う時間がないとか、近くに教室がないといった方は、注意深く練習すればかなりのレベルまで到達することが可能です。

しかし、上級者が見れば何でもないテクニックであっても、初心者は思わぬ回り道をしてしまうことがあります。
注意しなくてよいことに多大の神経を費やしたり、肝心なところが守られていなかったりといった場面を目にすると、独習だけではやはり難しいという感触があります。

アウラ音楽院では、個人レッスンを中心にした担任制で、基礎から順番にギターを学んでいきます。
無料体験レッスンも実施していますので、お気軽にお問合せ下さい。

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